限られたチャンス

先日のイタリアGPにて、セバスチャン・ベッテルが21歳でF1優勝という記録を達成しました。上位陣が荒れた予選に続く大雨のレースという典型的な「大番狂わせを生み出す環境」をがっちりと掴み取ったベッテルが展開も空気も全て持っていってしまいました。



このベッテル、2004年のフォーミュラBMWドイツ選手権にて20戦中18勝、しかも全戦表彰台という成績でBMWモータースポーツの責任者であるマリオ・タイセンも惚れ込んだ逸材ではありますが、その後はスポンサーであるレッドブルとBMWの間で交渉がもつれるなどがあって、最終的には当時スーパーアグリといい勝負をしていたトロロッソで静かにF1参戦していました。今回のレースは、そんな彼に巡ってきた大きなチャンスだったのです。



レーシングドライバーに限らず、どんな人にもチャンスは訪れると言います。しかし、その好機を掴めるか否かでその後の展開が大きく変わります。様々なキャリアの中で、必ず訪れるチャンス。特にドライバーの場合、これを掴み、生かすために最も必要な要素があると私は考えます。



それは「ミスをしないこと」



こう言うとなんだか消極的に聞こえるかもしれません。でもこんなふうに考えてみてください。



チャンスが訪れる=自分が有利な状況にある



すでに有利な状況にある自分には成功するための条件が揃っていると思うんです。そこで大切なのは「さらに自分が有利な方向に進める」ではなく、「状況を維持するためにミスをしない」ことだと思うんです。同じレースを走る他のドライバーがリスクを負ってどうにか有利に進めようとしているなかで、既に有利な状況下でミスをしないようにきっちりとコンスタントに走るというイメージです。



メディア受けも良いことから「苦しい状況の中のがんばり」というニュースが高い評価を受けたりしますが、「がんばるのは当たり前の世界」なので、こういった「限られたチャンス」をミス無くがっちりと掴む事を私は重要視しているんです。



これを見て「あっ」と思ったドライバー諸君。是非、参考にしてチャンスを掴んでください。
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