カーティングダッド

この言葉、日本では聞き慣れない名前だと思います。イギリスでは、ドライバーである子供よりもレースに対して「力」が入ってしまっているお父さんの事をこう呼びます。特に小さい子供が走っているカートレースでしばしば見かける光景ですが、応援や手伝いの枠を越えて、自分の情熱を加減なしにドライバーやチームに対してぶつけてしまっている親のことで、スパルタな教育方針な方も少なくないようです。



残念ながら、この呼び名は決して良い意味では使用されておらず、上のカテゴリーに行くほど、こう呼ばれる親はチームのスタッフやドライバー本人のモチベーションを下げ、そして時には車メーカーなどのスポンサーにさえ敬遠されがちなのが現状です。



もちろん、子供が誰よりも頼りにしているのは両親ですから、なかでもお父さんに言われる言葉は心に重く突き刺さります。でも、もしも信頼している人から常に「お前は駄目なやつだ。」とか「どれだけお金が掛かっているかわかってるのか?」などなど・・・必要以上に、しかも明らかに感情的になっていると見える状態で言われ続けるとどうでしょうか?協力しようとしている周りの人々に自分の親が誠意の無い態度をとったりしているのを見たらどう思うでしょうか?特に思春期のドライバー達はそれでなくても難しい時期なので、頭がオーバーヒートしてパニック状態に陥っても不思議ではありません。これはどんなに強い精神力を持つ子供でも同じではないでしょうか?思春期の頃の自分自身に置き換えて考えてみたら容易に理解できるかと思います。



少なくとも私だったら確実にパンクしていたと思います。



親が子供を愛する気持ち、これは素晴らしいものだと思います。特にドライバーが幼少のころから一緒にレースをやって来た親子の間には通常の数倍の絆があるように感じます。レースで苦楽を共にして築かれた強い絆です。でも同時に、子供が両親を愛する気持ちも通常の数倍強いので、子供が両親に対して矛盾を感じたときのストレスもその絆に比例して重くのしかかってきます。



人生を歩むことにおいて、とても大切な事。



「バランス」



この言葉の意味をもう一度確認すれば、その絆をさらに強くすることも可能ではないでしょうか?



時に数億円を稼ぎ出すプロフェッショナルと呼ばれる領域は、生半可なドライバー育成の知識と情熱だけで通用する世界では無いことはご理解いただけるかと思います。本当にそこを目指しているのであれば・・・。
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